古い記憶の活かし方

堆積した古い記憶

過去の記憶とは 幾たびにも脳にくり返されてきた反応パターン

ひとつ事象が起きれば ひとつ反応し

またひとつ事象が起きれば またひとつ反応が増える

こうして脳細胞には反応パターンが定着する これが人の記憶である

森の記憶はどうだろう

森の地面にある落ち葉が 堆積して腐葉土となり豊なエコシステム:生態系を産む

森の記憶とは 生態系による循環と生命の調和である

この森の記憶とは 植物の成長といえよう

植物が四季により 一年サイクルを繰り返す

葉をつけ 花を咲かせ 実をつけ 葉を落とし休む

この葉が森における記憶 この幹の年輪がこの木における記憶

堆積した記憶は 熟成され智慧になればいい

落ちた葉は腐り腐葉土に変化して 森を豊にする

腐葉土は 空気と昆虫や微生物が働き 生態系が必要である

ならば人の古い記憶にはどうだろう

当然人には 昆虫や微生物はいない ならば生態系を回すのは何か

古い記憶に光を当てる 記憶を攪拌する

そのためには 感覚瞑想は役立つ

感覚が古い記憶をよみがえらす 攪拌する

身体の細胞ひとつひとつが 抱える筋肉・皮膚・間接などの痛み・違和感が感覚の奥底には眠っている

抑圧され 忘れ去られ 眠ったままの古い記憶がそこにある

いつ爆発するするかわからずに ただ抑圧と忘却のまま放置された記憶

これが暴走してしまわないように

感覚が記憶を呼び起こす

逃げも隠れもできないこの記憶のうちで

この触れれば爆発するかもしれない古い感覚を恐れ 目をつむることが解決法とは思わない

このどんなことでも受け入れる寛容さを備える こころを育てる

育てられたこころと共に どんと座って感覚とともに記憶を監察する

すると古い記憶が身体の生態系により分解され 智慧に変容する

智慧とは過去の経験から得られた 智慧であり生きる上で 必要なもの

こうして眠ったままの古い記憶を使う

一枚一枚堆積した記憶を分解する 丹念に諦めず 感覚瞑想において

これが古い記憶の活かし方である

過去の記憶には苦味がある

抑圧された記憶には思い出したくない苦い感覚がある

決して忘れられない 忘れてしまいたい記憶

それが爆発するときがある

それは苦しみとして この内に眠る潜在的な爆弾だ

誰しもこの爆弾を抱えて生きている

だから生きるのは苦しいのだ

この記憶を安全に解放する

それが感覚瞑想

静かな心でじっと観察する

すると自ずと固く固まった鍵が解除され 縛られた紐が緩み出す

緩んだ紐を感覚でたどる

ただそれだけでいい

それが大人の苦味の味わい方